更新:2007.10.01 作成:2006.10.27 22:52
ホトトギス(杜鵑)
分類:ユリ科ホトトギス属
学名:Tricyrtis hirta
別名:時鳥草、杜鵑草、鶏脚草
性状:耐寒性多年草
花期:夏から晩秋
草丈:30~100センチ
花色:主に紫紅色、まれに桃、赤、白、橙、黄
分布:主に関東から西の太平洋側

↓花は葉の付け根に1-3個着き、上向きに開く。
花には短い花柄があり、漏斗状鐘形で花径は3~4センチ、茎の元近くから茎の先までまんべんなく花をつける。
花弁は6枚で、やや斜めに開く。外側は白色で毛があり、内側は全体に紫紅色の斑点があり、基部近くに黄色の斑点が入っている。
3枚の外花被片は3枚の内花被片に比べて幅が広い。幅が広い花弁の基部にはコブ状の距があり、蜜がたまっている。
花の大きさや斑点の大きさなどに変異がある。花は4~5日間咲いている。
よく結実して乾いた果実をつける。
葉は緑色で長楕円形をしており、葉先は尖っていて、交互にほぼ二列に規則正しく並んでいる。
葉柄はなく、葉の基部は茎を抱き、両面に軟毛がある。茎にも短い毛が多く、褐色で上向きに生えている。
日陰の崖地などに生育すると垂れ下がるが、明るい場所では立つこともある。

シロホトトギス
分類:ユリ科ホトトギス属
学名:Tricyrtis hirta var. albescens (ホトトギスの変種)
別名:シロバナホトトギス、白楽天
紫紅色の斑点のないものがあり、ホトトギスの変種である。


ヤマホトトギス(山杜鵑)
分類:ユリ科ホトトギス属
学名:Tricyrtis macropoda
性状:多年草
花期:秋
分布:主に関東から西の太平洋側
↓ホトトギス(杜鵑)の近縁種。直径が2センチほどの小型の花を茎の上部に枝を分けて数個の花をつける。花心が剥き出しになり、白色に淡紅紫色の斑点のある花被片が、全開すると後へ反り返ってしまう。ホトトギス属の大部分の種には花被片の下部に黄色の斑紋があるが、ヤマホトトギスの花にはこの黄色の斑紋がない。花は2日間ほど咲く。
雌しべの先が長く伸び、3裂して横に広がり、その先がさらに2裂している。それを取り囲むように6本の雄しべが伸び、雌しべの下で広がっている。
林緑や明るい林床に生育し、草丈は高さ1メートルほどになる。茎の毛は下向きに生えている。葉に柄はなく、茎を抱きかかえるようにして互生する。

タイワンホトトギス
分類:ユリ科ホトトギス属
学名:Tricyrtis formosana
別名:ホソバホトトギス
性状:多年草
花期:10月~11月頃でやや遅い
草丈:30~50センチ
↓花径3センチほどのやや小型の花が、茎の上部に枝分かれして付く。花の形は花被片が斜めに立ち上がり、頂部に多くの花をかたまってつける傾向が強い。


ヤマジノホトトギス
分類:ユリ科ホトトギス属
学名:Tricyrtis affinis
性状:多年草
分布:北海道南西部から九州
花期:8月上旬~9月
↓草原や谷筋の樹林下などに生育する。茎の高さは30~60センチで毛が多い。葉は卵状長楕円形から狭長楕円形で先端が急に尖り、長さ8~18センチ、短毛があり葉の先端側で多い。花は葉腋に1~数個咲く。
小さな個体や一度刈り取られた個体では、頂部にしか花が咲かないことが多い。花弁は水平に開き、紫色の斑紋が点在し、黄斑はない。雌しべの柱頭は大きく3つに分かれ、その先端はさらに2つに分かれており、縁には透明な球状の突起がある。柱頭には紫色の斑紋があるが、基部の花柱には斑紋はない。雄しべは6本で、3本は3つに別れた雌しべの柱頭の下に、3本はその間にあって、先端は下向きに湾曲している。雄しべには紫色の斑紋はない。
