分類:ウコギ科ヤツデ属
学名:Fatsia japonica
別名:テングノハウチワ(天狗の葉団扇)、テングノウチワ、オニノテ、ヤツデノキ(八手の木)
和名の由来:深く切れ込んだ葉の形から八ツ手("八つ"は"多い"という意味)
性状:耐寒性常緑広葉低木
樹高:数メートル
花期:秋~冬
原産地:日本
分布:東北地方南部以南の本州から南西諸島に生育。

↓葉は枝先に集まって互生し、幼い葉は楕円形で、成長するにつれて3~11に分裂し、奇数のことが多い。各裂片には鋸歯がある。 葉先は鋭く尖る。表面は濃緑色で光沢があり、裏面は淡緑色。30センチもある大きな葉は、太い葉柄に支えられている。樹高は数メートルになるが、幹はあまり太くならない。根元から分岐した幹はほとんど太くならずに高さが増していく。葉の数もあまり変わらない。茎には葉が落ちた大きい跡がくっきりとついている。日陰・日向・大気汚染に強い。 樹皮は灰褐色。


↓茎の先に小さな白い花がたくさん集まって直径2~3センチのピンポン球のような塊りを作り、その塊りがいくつか集まって円錐状の花序を作っている。花は花序の先端から咲き始め、花弁は白色で5枚。雄しべも5本である。雌しべは先端が5つに分かれているが、開花した直後は集まって1本にみえる。雌しべの下部の花盤から、ブドウの糖度の3倍、糖度50以上といわれる甘い蜜を分泌する。小さい個々の花径は0.5センチ、果実は直径約8ミリの液花で、翌年4~5月に熟して黒くなる。花の枝には葉緑素がない。両性花。


↓同花受紛を避ける仕組みの発達したものとして有名。花が開いたとき、花弁や雄しべは成熟しているが、雌しべはまったく未熟。3~4日後、花弁と雄しべが落ちた後雌しべが成熟し、他の花の花粉を受粉する。
