分類:メギ科ナンテン属
学名:Nandina domestica
別名:ヤマナンテン(山南天)
英名:Nandina, Heavenly bamboo
和名の由来:漢名の南天燭、南天竹の略から
原産:中国大陸(:ナンテンショク(南天燭)、ナンテンチク(南天竹))
分布:近畿以西の本州、四国、九州
性状:常緑低木(潅木)
樹高:1~2m
花期:5~7月、果期:10~12月
↓暖かい石灰岩地帯に野生化している。音が「難を転ずる」に通じることから縁起の良い木とされ、少なくとも、鎌倉時代から庭などに植栽された。茎は直立し、根本から叢生する。あまり太くならず、枝分かれしない。
普通の木と違い、年輪がなく、組織の細胞の壁が厚くなり、木化しているだけなので、木質化した茎を持つ草とも言える。茎の内部は黄色をしている。
仲間:果実が黄色を帯びた白色のシロナンテン(白南天)(学名:Nandina domestica var. leucocarpa)がある。葉、茎など全体に赤味がない。


↓葉は羽状複葉で互生し、小葉は長さ3~8cmの披針形で緑色の全縁。
表面は光沢があり先は尖っている。茎の先端に集まって着く。秋には紅葉する葉もある。


↓葉の間から、円錐花序を上に伸ばし、沢山の白い米粒状の蕾をつける。白くて光沢のある花弁は3枚ずつ輪生し6枚で花径は約6mm。萼片も3枚ずつ輪生し多数。雌しべ1個、雄しべ6個。


↓花後の子房が目立ってきた。

↓果実は、直径6~7mmの球形で、晩秋に赤く熟す。

↓果実の先端に柱頭が残っている。中には普通2個の種子が入っている。
参考1:結構丈夫なので杖に利用されたりする。
太くなった茎は床柱などに珍重されることもある。金閣寺の床柱は特に有名。
床柱に使うには100年以上かかるかも?
参考2:漢方薬としては乾燥した実(南天実)を咳止めに、葉を強壮剤に使用する。
葉に含まれているドメスチンというアルカロイドは、多量に摂取すると知覚や運動神経の麻痺を引き起こすため、素人が安易に試すのは危険である。