分類:ミカン科キンカン属
学名:Fortunella japonica
(1915まではミカン属Citrus japonica)
別名:ヒメタチバナ(姫橘)、マルキンカン
英名:Kumquat、Cumquat、Chinese quince
性状:常緑低木
樹高:1~2m
原産地:中国南部の長江下流域(関東地方以西で栽培可能)
花期:6~7月
果期:11~12月(1月でも、未だ緑色がかなり濃い場合がある)

←鎌倉時代末頃(14世紀始め)に渡来し、温暖な地域で栽培された。枝は分岐が多く、枝にはほとんど棘がない。
↓若い樹皮は緑色をしていて、若い枝ほど稜が明瞭で、4mmほどの短い刺があることがある。

↓成木の樹皮は灰褐色で縦に割れ目が入る。


←
葉は互生する。
↓葉身は厚みがあり、表面には光沢がある。葉脈は不明瞭。長楕円形~長披針形で長さ5~8cmになる。

↓縁は波打ち、上向き(表向き)に巻くように反っていることが多い。

↓両面とも無毛で、裏面には多くの油点が見られる。

↓葉先にも由点がある。

↓表裏とも、日光に透かして見ると油点がよく見える。

↓先半分に浅い鋸歯がある。

↓葉柄は10mmほどで幅2mmほどの小さい翼があるが、まれにないものもある。

↓夏から秋にかけて数回、枝先や葉腋に、芳香のある黄色を帯びた白い5弁花を付ける。花径20mmほど。雌しべは1本、20本ほどの雄しべが筒状に集まっている。

↓果実は直径2cmほどで、初めは緑色。

↓晩秋から冬にかけて黄色~橙色に熟す。

参考1:果実は果皮ごとあるいは果皮だけ生食する。果皮の内側にほのかな甘味があり、果肉は酸味が強い。果実全体を砂糖漬けにして食べると、甘味と酸味が程よく調和して美味しい。(ユズは刻んで砂糖漬けにする)
参考2:果実は民間薬として咳や、のどの痛みに効果があるとされる。果皮にはヘスペリジン(ビタミンP)を多く含む。