いよいよ待ちに待った３月、春到来です。
寒い寒いとぼやきながらも、暖かい陽射しが多くなり、日没も遅くなってきましたね。
広葉樹林の北側斜面ではカタクリの花が咲く準備を着実に進めていることでしょう。

分類：ユリ科 カタクリ属
学名：Erythronium japonicum
別名：堅香子（カタカゴ）、傾籠（かたかご）、カタゴ
英名：Katakuri 、Dog tooth violet
花言葉：嫉妬

分布：日本（北海道～九州）、朝鮮半島、中国
性状：多年草（球根）
草丈：１０～２０ｃｍ
花期：３～４月
仲間：キバナカタクリ、シロバナカタクリ

↓比較的日光の差す落葉広葉樹林の林床に群生し、早春に帯状の紫色を帯びた模様の特徴ある葉を展開し、
下を向いた薄紫から桃色の花を咲かせる。５月上旬頃には葉や茎は枯れてしまい、鱗茎の栄養分だけで休眠する。
種から発芽し、１年目は細い糸状の葉を、２～８年程度までは卵状楕円形の一枚の葉だけで過ごし、鱗茎が大きくなり、二枚目の葉が出てから花をつける。つまり、種から花が咲くまでに７年から８年もかかることになる。地下では鱗茎が生き続けていて、寿命は１５～３０年以上といわれている。
鱗茎は花が咲くまでに成長すると、地面から２０ｃｍほどの深さにある。

↓花は早春に花茎を伸ばし、淡い緑色に帯状の紫色の斑の入った２枚の葉の間に一輪だけ咲く。花径は約３～４ｃｍほど。
朝は細くすぼまっており、天気がよく気温が上がると開き、やがて強く反り返る。

↓カタクリの花は一見、６枚の花弁に見えるが、外側の３枚が萼片に相当し、内側の３枚が花弁に相当する。
この６枚の花被片の内側には、Ｗのような山形の模様がある。

↓雌しべは雄しべよりも伸びて飛び出し、柱頭の先は３つに分かれている。
雄しべは花被片の基部に付いていて６本で、通常は３本が長く、別の３本は短い。葯の色は花弁と同じ紫色。

↓果実が熟すると、種子が顔をのぞかせる。種子の長さは２mmほどで黄褐色。アリが種を運んで群落を広げる植物として有名。

参考：昔はこの鱗茎から抽出したデンプンを片栗粉として用いていたが、近年はジャガイモから抽出したデンプン粉のことを指すようになってしまった。