分類:ナデシコ科 ミミナグサ属
学名:Cerastium glomeratum
別名:アオミミナグサ
和名の由来:オランダから渡来したミミナグサの意
分布:本州、四国、九州
性状:越年性一年草
草丈:10~30cm
花期:3~5月
↓同属の在来種のミミナグサは最近あまり見られないが、ミミナグサは葉がネズミの耳に似た菜の意。
オランダミミナグサは江戸時代末期に渡来したヨーロッパ原産の帰化植物で、全体の形がハコベに似ている。
畑地、道端、空き地などに見られる、極めてありふれた雑草。
秋から冬に芽生え、茎は根元から叢生して株になり下部は地をはう。
葉が重なって出て十字状に広がり、春に茎が立ち上がる。全体に白い毛が密に生えている。

↓茎は円柱状の淡い緑色で、まれに赤味を帯びることがある。腺毛も多く、触るとやや粘った感じがする。
葉は対生し卵形~長楕円形で、鋸歯がない。葉先は丸味が強いが、中央先端はわずかに鋭く尖るものがある。
葉身はやや薄い緑色で、葉柄がない。両面全体に軟毛が生え、特に葉縁と主脈上には毛が多い。葉の長さは5~20mm。

↓茎は上に向けて二叉分枝し、先端に集散花序をつける。
枝先に白色の花を密につけ、開花するにつれて枝が伸び、全体が傘状に広がる。
花柄は5mmほどで、一般的に萼片より短い。花柄が短いため集合花のように見える。

↓花は花弁5枚で先端が浅く2裂し、花径は7~8mmほど。萼片も5枚で花弁より短く緑色。雄しべ10本、花柱は5本。
ミミナグサと同様に、短時間しか開いていないので、開いているのを見ることが少ない。
果実は蒴果で、子房がふくらんで円柱形になる。熟すと果実の先が裂けて種子をはきだす。

同属の仲間:ミミナグサ・・・茎は赤紫色を帯び、本種ほど毛は多くない。花柄は萼片よりも長い。葉の先端は丸味がない。