分類:ウマノスズクサ科ウマノスズクサ属
学名:Aristolochia debilis
和名の由来:六つに裂けた球形の実が垂れ下がっているのを、馬の首にかける鈴に見立てた
分布:関東以南の本州、四国、九州
性状:蔓性多年草・・・毒草
花期:夏~初秋(7~9月)
仲間:アリマウマノスズクサ、
オオバウマノスズクサ
↓日当たりのよい里山や河川敷などの草地に生え、長い地下茎で繁殖するが、あまり群生しない。
夏に紫緑色の独特な花を咲かせ、秋に結実し、冬期には地上部は枯れてしまう。全体に無毛で粉白を帯びる。

↓花は葉液から伸びる長い柄の先につく。先端は平らに開いて、片側が大きく膨らみ斜めに口を開け、一端がやや尖っている独特な形をしている。花筒の開口部は上方に開いていることが多い。筒の部分は細く曲がっていて、薄い緑色をしている。内側には奥を向いて毛が生えている。花弁のように見えるのは、実際には萼であり、花弁はない。
子房は球形の部分の直下、花柄の先端の少し太くなった部分である。果実は球形で六つに裂け、裂片から柄が出て垂れ下がる。

↓花筒の開口部は紫褐色で奥に向かって毛が生えている。(開花直後は逆毛が密生しているが、画像の毛は、すでに萎縮して短くなっている。)
基部が球形に膨らみ、6個の雄しべと1個の雌しべがある。右の画像で、中央に見えるのが雌しべの6個の柱頭、その周囲に張り付いているのが雄しべの葯である。雌性先熟で、腐肉に似た匂いで小型のハエをおびき寄せ、花の奥にある球形の部分に誘導し、柱頭が受粉する。その後、雄しべが花粉を出すと、逆毛は萎縮し、ハエは花粉を身に付けて花から脱け出し、他の花に行く。

↓葉は互生し、三角状卵形、基部は心形で両側が耳状に張り出し、緑色で無毛、質は薄い。長さは約6cmで、葉の先がやや丸い。

↓ジャコウアゲハの幼虫の食草として知られ、葉の裏に赤橙色の卵を産み付ける。



