分類:キク科 オナモミ属
学名:Xanthium occidentale(異名:X. canadense)
原産:北アメリカ、1929年に初めて帰化が確認された。
分布:全国
性状:一年草
草丈:50-180cm
花期:9~10月
仲間:オナモミ
↓荒地や河原などよく肥えた場所に生育し群生する。茎は堅く、褐紫色を帯びるものが多い。葉と同じようにザラザラしている。

↓葉は互生し、長い柄があって大きく、卵形または広卵形で、3~5浅裂あるいは中裂する。葉の主脈は葉柄につながる基部で3本に分かれている。葉には微毛があり、脈上には棘状の毛が散生し、触ると両面ともざらつく。縁には不揃いの鋸歯がある。

↓秋に地味な花を付けるが、雌雄異花で、風で花粉を媒介する風媒花である。
雄花の頭花(雄頭花)は葉腋から出た短い花序につき、雌花の頭花(雌頭花)は雄花序の基部に集まってつく。雄頭花には柄があり、多数の黄白色の雄花が球形の塊となる。雌頭花の総苞片は合着して壷型の硬い殻(果苞)になる。この緑色の果苞の中に花冠のない雌しべが2個入っていて、花柱だけが果苞の先端から角のように突き出る。果苞の長さは2cm前後と大きい。

↓果苞は稔っても茎から離れず、熟すと硬くなり茶褐色になる。
果苞には先端が鉤状に曲がった棘が多くあり、動物の体や衣服にくっついて運ばれ、種を伝播し、生育範囲を広げる。引っ付き虫の代表格である。在来種のオナモミはオオオナモミより棘が短く、互いの間隔が広く密接していない。この棘は一本一本がキク科の頭花の総苞片の一枚一枚に相当する。1個の果苞の中には2個の種子が入っている。

参考1:有史以前に帰化した在来のオナモミ(X. strumarium)は、現在ではほとんど見られなくなってしまった。
参考2:最近では在来種のオナモミと帰化種のオオオナモミとは多少の差はあっても、亜種や変種ほどの差はなく、せいぜい品種の差程度で、分類上は同じ種類とする考えも出てきた。統一学名はX. strumarium(標準和名オナモミ)。