分類:タデ科 イヌタデ属(またはタデ属)
学名:Persicaria perfoliata(タデ属Polygonum perfoliatum)
和名の由来:不明。大阪の石見川の地名に由来した、イシニカワ(石膠)が訛ったもの、種の皮が硬いことを指して石実皮、多肉質の果実の中に石のように硬い実があることから、など諸説あるが、どれも確たる根拠無し。
分布:北海道、本州、四国、九州、沖縄、東アジア
性状:蔓性一年草
蔓長:1-3m
花期:7~10月
仲間:ママコノシリヌグイ、ツルソバ、ナガバノウナギツカミ、アキノウナギツカミ
↓林縁、河原、道端、湿地などの日当たりがよくやや湿り気のある土地に生える。
茎は蔓状に長く伸びて分枝し、茎と葉柄には大きくて鋭い下向きの棘が多数あり、他の植物に引っかけて寄りかかり生長する。
葉は互生し、三角形で、長さ3-6cmほど、白味を帯びた緑白色。
葉柄は長く、葉身の裏側、基部より少し内側に楯状につく(ママコノシリヌグイでは葉の基部につく)。
葉柄の基部(葉腋)に円形の托葉がついて茎を抱く。托葉は完全に茎を囲んでおり、真ん中を茎が突き抜けたように見える。
丸い托葉と、三角形の葉と、鋭い棘が特徴。
<右画像提供:nekocchi1122様>

↓葉や托葉は鋸歯がなく全縁だが、葉縁には細かい棘状のものがある。

↓主に秋、丸い拓葉の上に1-2cmの短い穂状花序を伸ばし、薄い緑色の花を密集してつけるが、目立たず咲いていることに気が付きにくい。花弁のように見える萼片は長さ3mmほどで、5深裂し、各裂片は広楕円形。花径3-4mmで、小花の花柄は1.5mm。
<左画像提供:nekocchi1122様>

↓花後は、緑色の萼が厚みを増し多肉化して膨らみ、赤紫色を経て鮮やかな青藍色に染まり、まるで果実のようになる。直径は3-5mmぐらい。本当の果実は、熟すと丸くて硬い黒色の痩果で、この萼に包まれている。完熟すると、黒色の痩果が顔を出す。

参考:漢方では解熱、解毒、利尿、下痢止めなどに生薬として用いられる。