更新:2008.06.03 作成:2006.12.20 14:29
分類:クワ科イチジク属
学名:Ficus erecta
和名の由来:果実がビワに似ていて、ビワの実より小さく、味も劣っているから
別名:コイチジク、イタブ、イタビ
性状:落葉低木・雌雄異株
樹高:3~5メートル
分布:関東以西、南西諸島
花期:4~5月、果期:9~12月
仲間:イチジク
樹皮は滑らか。小枝を傷つけると白い乳液がでる。托葉は大きく、芽を包んでいるので、托葉が落ちると環状の跡ができる。


↓本年枝の葉腋に花嚢(カノウ)が1つずつ付く。花はイチジク同様に見かけ状の果実の中にあり、表面的には花は観察できない。これを無花果という。実のように見えているものは花嚢で、この内側でたくさんの花が咲き、たくさんの黄色の球状の真の果実ができる。
雌株の木の花嚢には雌花だけが入っている。雄株の木の花嚢には雄花と雌花が入っている。外から見たら今が花の時期なのか実の時期なのかよく分からない。
花嚢は初めは緑色で、赤色を経て黒紫色に熟す。日当たりが良いと雌株の花嚢は直径2センチほどになり、甘いが、ビワやイチジクより美味しくない。真冬には雌株の花嚢は越冬できず、残っている小さな花嚢は雄株の花嚢である。


葉は単葉で互生。葉身は卵状楕円形または倒卵状楕円形。長さ8~20センチ。幅3.5~8センチ。
葉の表面は濃緑色で光沢がある。裏面は灰白緑色。葉の表面には微細な毛が散在しており、裏面は脈上に微毛がある。
葉縁に鋸歯はなく、葉先は鋭頭。


参考:受粉はイヌビワコバチ類が行い、雄株の木の花嚢の先端の穴から中に入って受粉させ、産卵する。孵化して成虫になり、花嚢のなかで交尾する。交尾したオスはそのまま一生を終わり、メスだけが外に飛び出す。雄株の花嚢には虫が入っているので食べられない。春になると、ここからイヌビワコバチが発生する。因みに、イチジクも雄株の花嚢は食べられず、雌株の花嚢だけ食べられる。