分類:ブドウ科ヤブガラシ属
学名:Cayratia japonica
和名の由来:藪を枯らしてしまうほど繁茂してしまうから。
別名:ビンボウカズラ(貧乏葛)、ビンボウヅル(貧乏蔓)
性状:ツル性の多年草
花期:6~9月
熱帯から東アジアに広く分布するツル性の多年草。毎年地下茎から勢い良く地上茎を伸ばす。巻きひげで他のものに絡みつきながら伸びる。肥沃な場所に生育する。
葉は互生して、長い柄をもった5枚の小葉をもつ複葉(鳥足状複葉)。葉柄のもとに2枚の托葉がある。

↓枝を伸ばし多数の小枝に分かれて、扁平な集散花序となる。(艶のある葉は他の植物です。)
4枚の花弁は淡緑色で、平たく開き、やがて反転する。
咲きはじめは花盤の周囲に雄しべが4個あり、中心に短い雌しべがある。萼は退化して小さい。


↓やがて花弁と雄しべが落ちてしまい、雌しべが長く伸びる。
雄しべと雌しべの成熟期が異なり、自花受粉を避けている。
花盤には蜜腺があって、蜜を分泌している。花が開いているときにはあまり分泌が無く、花弁を散らせてから、分泌が盛んになる。その後、橙色の花盤がピンク色に変わり、花期を終える。花は径5ミリほど。


花の大部分(3倍体)は実ができないが、一部に黒い実をつける株もある(2倍体)。実ができない株は小葉が5枚、実を付ける株は小葉が3枚。果実は当初緑色であるが順次黒色に熟して落下する。
花盤(カバン):花柄の先端である花床の一部が肥大し、突き出たもの。雌しべの子房は花盤の中に埋まっている。