分類:キョウチクトウ科テイカカズラ属
学名:Trachelospermum asiaticum
和名の由来:鎌倉時代の歌人藤原定家の墓所に生えていたことに由る
別名:マサキノカズラ、チョウジカズラ、石蔦(いはつな)
性状:つる性常緑低木
分布:本州、四国、九州の温暖な丘陵帯、常緑広葉樹の二次林に多い
花期:5~6月(図鑑による。東京では半野生の花が9月でも咲いている。)
蔓性の植物で、茎の途中から気根を出して樹皮などに付着し、木や岩壁に這い登る。樹木に巻き付くことはない。茎の太さは葉の量に比べて細い。若い内は地を這うことが多い。灰色の茎には毛がある。成木になると付着していた樹皮から離れて枝を空中に伸ばし、幹は直径数cmに達する。
初夏に、枝先や上部の葉腋に花を付ける。最初は純白で終わりに近づくと淡い黄色になり、ジャスミンに似た甘くふくよかな芳香がある。
自生の場合、花は高いところで咲くことが多い。

↓直径3cmほどの花冠は筒状で、花筒は太い部分と細い部分からなり、赤色を帯びている細い部分がその上に続く太い部分よりもはるかに長い。


↓5裂した花びらは風車のようにねじれている。同じキョウチクトウ科の一重の白い花の咲くキョウチクトウ(夾竹桃)と似ているが、花びらの旋回方向が逆である。


↓葉は対生し卵状皮針形で葉質は厚く光沢がある。
地面を這っている間は長さ1~数cmの深緑色で葉脈に沿って白い斑紋が入ることが多い。地面から立ち上がると次第に大きくなり、表面の文様は消える。
花が咲くほどに生長したものでは、葉の色はやや薄くなり、長さ3~7cmほどの、特徴のない葉になる。
若葉の時には縁に毛があるが、すぐに脱落して両面とも無毛になる。葉縁はわずかに内巻きになっている。裏面は粉白緑色。葉縁は全縁で、葉先は尖鋭頭。


↓果実は細長い袋状で、普通2本が対になって逆V字になって垂れ下がっている。1本の長さは20cm前後。中には長さ25mmほどの冠毛がある、長さ13mm前後の種子がつまっている。晩秋に果実は2つに割れ、中の種子は風によって散布される。

参考:テイカカズラミタマバエによる虫こぶ(テイカカズラミサキフクレフシ)ができることがある。