分類:バラ科ビワ属
学名:Eriobotrya japonica
英名:(Japanese) Loquat
和名の由来:果実の形が楽器の琵琶に似ていることから(楽器の琵琶は元々は枇杷と書いたが、琴の一種なので、後に琵琶の漢字になった。伝来は奈良時代。)
性状:常緑高木
樹高:5~10m
原産:中国南西部
花期:11~翌年2月(盛りは12月)、果期:翌年5~6月
↓日本には古代(古墳時代)までには枇杷の名で薬用として持ち込まれ、西日本(本州西部、四国、九州)の石灰岩地帯の崖に自生状態のものが見られる。現在の枇杷は江戸時代末期に中国から唐ビワが導入され、明治時代から、果樹として改良され広まったとされる。


↓葉は互生し、おもに枝先に集まり、葉柄は短い。
葉は大きく長さ約20cm、幅約5cmの長楕円形で厚くて堅く、先はやや尖り、基部は狭くくさび形で、表面が葉脈ごとに波打つ。若葉の時には、両面に毛があり、全体に荒い鋸歯があり、裏面の綿毛も少ない。


↓表面は無毛で、濃緑色で光沢がある。

↓裏面は淡緑色。

↓葉の先半分には波状の鋸歯があり、葉脈が先端に達している。

↓褐色の綿毛が密生し、葉脈が隆起している。


←花は枝先に長さ5~6cmの円錐花序をつけ、芳香のある地味な5弁の白花を多数つける。
↓花は枝先に長さ5~6cmの円錐花序をつけ、芳香のある地味な5弁の白花を多数つける。花径は10~15mmで、雄しべは多数。花軸から花柄、萼片すべて褐色の柔毛が密生している。ふわふわなラシャのようである。



←自家受粉が可能で、初夏に卵形をした黄橙色の実をつける。果実は花托が肥厚した液果で、初夏に橙色に熟し、径4~5cmの球形から倒卵形。 全体が薄い産毛に覆われている。種子は赤褐色で大きく3~5個入っていて、果肉の厚さは5mmほどで、見かけほどは食べる部分が少ない。
参考1:桃栗3年柿8年枇杷9年(または13年)などともいうが、種子から自然に芽生えた苗の結実には7~8年の歳月を要する。長崎県、鹿児島県、千葉県などが産地。
参考2:葉はアミグダリンやクエン酸などを多く含み、乾燥させてビワ茶とされる。ただし、アミグダリンは胃腸で分解されると猛毒である青酸を発生する。そのため、葉などアミグダリンが多く含まれる部位を経口摂取する際は、取り扱いを間違えると健康を害し、最悪の場合は命を落とす危険性がある。
参考3:木材は、乾燥させると非常に硬く、昔から杖の材料として利用されていた。
参考4:昔から庭にビワを植えると不吉だとか縁起が悪いという言い伝えがある。
1)ビワの木は植えると大きな葉を広げ大木になる。庭を薄暗くし陰気な感じになり、家屋も薄暗くなり通気も悪くなり、それが原因で病人が出るという説。
2)昔から葉などを薬効成分として使用していた為、寺院の境内や病人のいる家で薬代わりに育てていた。 それが原因で「寺にあるような木は縁起が悪い」、「病人がいる家には枇杷の木があり不吉だ」になったという説。