分類:ケシ科 クサノオウ属
学名:Chelidonium majus var. asiaticum
和名の由来:(1)茎や葉に傷をつけると出る黄色い汁が瘡(くさ)つまり丹毒(皮膚病)を治す効き目があるから、(2)黄色の乳液を流すので草の黄、(3)薬草の王様なので草の王、など諸説。
別名:ヒゼンクサ(皮癬草)、タムシグサ、イボクサ、チドメグサなど
原産:ヨーロッパ
分布:北海道、本州、四国、九州、東アジア
性状:越年生一年草・・・有毒
草丈:30~80cm
花期:5~7月
仲間:
ヤマブキソウ(ヤマブキソウ属)
↓日本を含めた東アジアに分布するものはヨーロッパ産種の1変種として扱われ var. asiaticum の変種名が付けられている。
平地の林縁、道端や草地、空地など日当たりのいい所に生え、群生する。
秋に散布された種子はすぐに発芽し、根から出る根生葉はロゼットを形成し越冬する。
春になると中空の茎を直立させ、枝を分ける。草全体に細かい縮毛がはえているので白っぽく見える。
茎葉から出る橙黄色の汁液には強い有毒物質を含み、嘔吐、昏睡、呼吸麻痺などを引き起こす。


↓花は葉腋から出た花柄に散状花序となり、直径2cm程度で鮮やかな黄色の4弁花を4~10個つける。花弁は広卵形で、萼片は2枚で早く落ちる。雄しべは多数。雌しべは1個で緑色、少し曲がっている。稀に八重咲きの株がある。


↓果実は細長く、長さ3~4cmの莢が上を向いて実る。莢中にある熟した種子は黒く、白色の脂肪塊(種枕・エライオソームという)が付着している。落下した種子を、アリが好物の脂肪塊とともに巣に持ち帰るために種子の分散される。



↓葉は互生し卵形で長さ7~15cm、1~2回羽状に深裂した複葉で、葉の両面には荒い毛があり、特に脈上の毛は長くて目立つ。上面は緑色、下面は白っぽく細毛が多い。小葉の基部が翼状に流れ下部の小葉に水かきのようにつながっている。


