分類:クロウメモドキ科 ナツメ属
学名:Zizyphus jujuba var. inermis ・・inermis:棘のない意
英名:Jujube, Chinese date
和名の由来:初夏になって芽を出すことから。棗(そう)は中国名。
原産:中国北部
性状:落葉小高木
樹高:6~10m
花期:6~7月、果期:9~10月
仲間:サネブトナツメ(核太夏芽、Zizyphus jujuba var. spinosa)・・・ナツメの原種、インドナツメ
↓南東ヨーロッパ、アジア西南部原産のサネブトナツメの棘が少ない変種で中国にも自生し、奈良時代に中国から渡来したと言われる。
このころのナツメは原種のサネブトナツメで、幹や枝に鋭い棘があった。現在のナツメは品種改良され、棘はないか、あっても小さい。
ナツメはよく分枝してこんもりした樹形で、庭園樹や街路樹として栽培されている。秋には黄葉し、やがて落葉する。同属のなかで、ナツメが最も寒さに強い。初夏に前年枝の先端付近から伸びた新梢の葉腋に小さな花を数個ずつつける。

↓果実は核果で、長さ2~4cmの長円形。初めは表面が滑らかな淡緑色で、やがて白っぽくなり、秋に熟すと暗赤色になる。次第に乾燥し、しわがれて落ちる。核には2個の種子を含む。常夜灯の電球をナツメ球というが、形がナツメの実に似ているからだろうか。
果実はそのまま生で食べたり、乾燥させて菓子材料として食用にされ、また漢方薬としても用いられる。 生の果肉は甘酸っぱく、何度も食べたいほど美味しいものではないらしい。漢方としては、強壮、強心、解毒、解熱、利尿、鎮静などに効能があるとされる。 ビタミンCはレモンの2倍と豊富。古い樹皮は縦横にひび割れし、黒褐色。


↓葉は小枝に互生し卵形、長さは2~4cmで、葉柄は短い。葉の基部は鈍形で、少し左右非対称。
葉身は光沢のある緑色で厚く、両面無毛。3本の葉脈が明瞭で辺縁には鈍い鋸歯がある。

↓花は淡黄色~黄白色の5枚の萼片が開いて直径4~5mm程度の星型になり、その間から雄しべの影に隠れてしまうほど小さなスプーン状の花弁が出る。花床の中央には円錐形の雌しべがあり、柱頭は2つに分かれている。

参考:ナツメは1939年、細川雄太郎作「あの子はたあれ」という童謡でも謡われている。
「あのこはたあれたれでしょね、 なんなんナツメの花の下、 お人形さんとあそんでる、 かわいい美代ちゃんじゃないでしょか」